補聴器ブログ

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【体験談】3万円の格安補聴器を購入してみた結果・・・・・

聞こえなくてどんどん自信を無くしていく毎日

娘さんと一緒に相談にいらしたAさん。
聴こえにくくなったのは3年ほど前からで、メガネ屋さんで相談し両耳で3万円程度の補聴器を使用していました。

しかしあまり良く聞こえず、日常生活でも聞き返しが増え家族との会話に不自由を感じる回数が増えていきました。
病院へ行っても呼び出しの声掛けが聞こえず、何度も呼ばれてやっと気が付くことが増えました。
医師の説明もハッキリと聴こえず、1人で行くことが不安で娘さんに同行をお願いしていました。

電話に出ても聴こえないため、電話がかかってきたときはご主人にお願いするしかなく、遠方に住んでいるお孫さんから電話がかかってきても話をすることができません。
Aさんは補聴器を使っても聴こえないのだから、自分はもう人と会話をすることを諦めるしかないのだと思い、どんどんと自分の殻に入っていってしまいます。

同窓会のお知らせが来て、行きたいとAさんは思いました。しかし聴こえないから行っても楽しくないと同窓会へ参加することを諦めてしまいました。

もともと活発で話好きで家に閉じこもっている事が少なかったAさんは、聴こえなくなったことでどんどんと自分の殻に閉じこもるようになってしまいました。

傍でお母さんの様子を見てきた娘さんはどうにかならないかとずっと思っていました。
しかし補聴器を使っても聴こえないのだから、どうしていいものかと悩んでいました。

補聴器のプロに初めての相談

初めてお会いした時Aさんはうつむき加減で「もう聴こえないんです。あきらめています」と言っていました。
私はまずAさんが使っているという補聴器を見せてもらう事にしました。そしていくつか質問をしました。

私「お店で聴力測定しましたか?」
Aさん「しました」
私「ことばの聞き取りテストはしましたか?」
Aさん「していません」
私「補聴器の試聴はしましたか?」
Aさん「していません」

Aさんが使用している補聴器は通信販売などで購入することが出来る補聴器でした。
非常にたくさん流通している物ではありますが、集音器と性能的にはさして違いのないものです。

まず聴力を測定し、その後言葉を聞き分ける力のテストをしました。
そしてわかったことは、Aさんの聴力では現在使用している補聴器は役に立たないという事でした。

通信販売などで購入できる補聴器や集音器というものは、音量を上げたり下げたりするだけです。
使う人が器械に合わせないとならないため、聴力が適合していない人には全く役に立ちません。
また対象の方も、比較的聴こえる軽度の難聴向けに作られています。普段は聴こえるけれど周囲がうるさいと聴こえない…程度の軽い難聴の方であれば多少効果はありますが、日常生活で聴こえにくくて困っているような聴力の方を対象には作られてはいません。

Aさんの聴力では使っても効果が無いという事は、知識があれば一目瞭然なのですがAさんは知識がなかったために全く効果の見込めない物を購入してしまいました。
そのことを説明して、実際にAさんの聴力に合わせて調整をした補聴器を付けてみてもらいました。

聴こえる!!テレビの音も話し声も良く聞こえる!

付けた瞬間から表情が一変します。娘さんが話しかけます

娘さん「どう?お母さん 聴こえる?どんな感じで聴こえる?」
Aさん「聴こえる。今大きい声で話してる?」
娘さん「普通の声で話しているよ。」
Aさん「!!!」

テレビの音を聞いてもらったり、あえて雑音を出し周囲がうるさい状態で話をしてみたりと補聴器を付けた状態でいろいろな場面を体験してもらいました。

一つ音を聴くたびに瞳がキラキラと輝きます。
お母さんが明るい表情になるたびに、娘さんは驚きつつ嬉しそうです。

そしてちょっと家で試してみたいと希望したので、貸出を利用してもらう事にしました。
1週間、日常生活で補聴器を使用してもらいどんな変化があるのか体験してもらいました。

1週間後、お店に来た瞬間からもう表情が明るくニコニコです。

私「どうでしたか?」
Aさん「テレビもお父さんの声も良く聞こえます」
私「水の音や食器のぶつかる音はうるさくなかったですか?」
Aさん「多少大きいとは感じましたが、そんなに気にならないです」

日常で感じたこと、補聴器を付けたことで音が聞こえるようになったことを嬉しそうに教えてくれました。貸出期間中、朝から晩までつけていたそうで補聴器が無いと困る!と強く感じたそうです。

Aさんは購入を希望されたので、予算を相談して日常生活を送るうえで必要な機能を備えていて、価格もお手ごろな物を購入することが決定しました。

購入後から聴こえのリハビリがスタート

補聴器を購入してからしばらくの間、定期的に状態をチェックします。

補聴器の調整は山登りのように段階を踏んで徐々に音を上げていきます。
初めての人は目標の入力音に対して70%程度のボリュームからスタートします。これは音を受け取るのは耳ですが、その音を処理する脳みそが音がある生活に慣れるために時間が必要になるためです。

聴こえない期間が長いほど、音が無い生活が当たり前になってしまっているので音を思い出すまでに時間が必要になります。
年齢的な物も影響しますが、音を忘れてしまっている状態で補聴器を使うと「聞き流していい音」と「聞かないとダメな音」の選別を脳が出来ないためすべての音を聞いてしまい、結果的にうるさい!という状態になります。

しかし1週間がんばって朝からつけていてもらうと、徐々に聴こえる状態が当たり前になってきます。個人差はありますが1~2週間で音には慣れてきます。
3段階程度の段階を踏んで音量を徐々に上げていき、聴こえる状態に脳を慣れさせていきます。
間に不快でつけていられないという状態があった場合は微調整で対応をしていきます。

Aさんはとても熱心にリハビリに励んでくれたのと、聴こえにくくなってからの年数が短かったことが幸いして早い段階で補聴器からの音に慣れ、聴こえるのが当たり前の生活に慣れることが出来ました。
通常は言葉の聞き取りはあまり変化が無いものなのですが、60%程度の明瞭度が80%に改善するという驚きの結果を出してくれました。

日常生活の中で、たくさんの音を意識して聴くという事はあまり体験しない事ですが、補聴器を使うときにはこの行動が非常に大切になります。
どんな時にどんなふうに聴こえるのか、決まった場面で不愉快な状態になるのかどうかなど補聴器を通して聴こえる状況や感覚は微調整をする上でとても大切な情報です。
Aさんには意識して聞いてもらうようにお願いしました。まじめにメモをとり、細かく教えてくれたので調整するときに非常に参考になりました。

大体3か月程度かけておおもとの目標へ到達し、その後さらに3か月程度経過観察をしながら定期的に調整とメンテナンスに来てもらっています。

来店するたびについついおしゃべりに花が咲いてしまうのですが、可愛いお孫さんとのやり取りを聴くたびにとても嬉しくなります。
孫とのやり取りや、病院での先生とのやり取り、友人とのおしゃべりなどあきらめていたことが補聴器を使う事でどんどんと叶っていく・・・その話を聞くたびに心が温かくなります。

次はあなたの番です

Aさんのように、聞こえない事で元気がなくなっていた人も補聴器を使う事で自信を取り戻し、笑顔で毎日を過ごせるようになった人が沢山います。
私が調整した人は、皆さん笑顔で毎日を活き活きと過ごしている方ばかりです。

簡単に聴こえるようになるとは言いません。聴こえるためには努力が必要になります。
しかし、その努力は明るい未来のための努力です。

あなたも聴こえる補聴器を手に入れて楽しい毎日を送る仲間になりませんか?

 

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