「高い音がうるさいです」
『では高い音を下げましょうねー』
「とにかくうるさい」
『では少し小さくしておきましょう』
補聴器の調整の時にこんなやり取りをしていた事ありませんか?
もし、しているならちょっとそれお店選び間違ったかもしれないです。
補聴器のお店選びのポイント
補聴器選びはお店選びというくらい、お店を選ぶことは大切な事です。失敗はしたくないけれど、何を基準にしたらよいのかわからない人も多いでしょう。
まずはお店選びのポイントを3つお伝えします。
測定をきちんとしているか
補聴器を選ぶとき、何を基準に選んでいるかというと使用する方の聴力データです。
この聴力データを基に機種を選定し、調整を行います。この聴力データは補聴器を調整するにはなくてはならないものになります。
聴力測定には3種類の測定があります。
気導測定
音がどの程度聞こえているのかを測定します。聞こえているかどうかのギリギリのラインを確認しています。
骨導測定
骨を伝わってどの程度音が聞こえているかを測定します。こちらも聞こえているかどうかのギリギリのラインを確認しています。
語音明瞭度測定
言葉をどの程度聞き分けることが出来るかを確認します。「あ」「く」など単音を聞き、用紙に聞こえた音を記載していきます。
この3つの測定は補聴器を調整するときに必ず必要な測定です。この3つの測定をせずに一つだけで調整を終わらせているお店は要注意です。
補聴器を選ぶポイント
補聴器を選ぶとき大切なポイントは何でしょうか?具体的なポイントを3つお伝えします。
目的を明確にする
補聴器を使って何を聞きたいのか、目的を明確にする事はとても大切な事です。
いつ、どんな時に聞こえなくて困っているのかを紙に書きだしてみましょう。そして書き出した中で、最も解決したい順番に番号を振ってみてください。
もっとも優先順位が高い問題をハッキリとさせることで、必要な機能や価格帯がわかってきます。
漠然と聞きたいという考え方は失敗の元です。自分がどんな時に困っていて、どんな聞こえを手に入れたいのかを明確にする事で失敗する確率が下がります。
補聴器の限界を知る
補聴器は魔法の機械ではありません。あくまでも聴こえを補助するための道具です。補聴器には何が出来て何ができないのかをしっかりと把握しましょう。
補聴器では何が出来て、何ができないのかを専門家からしっかりと聞くようにしましょう。
補聴器の仕組みについては別記事にて詳しく解説していますので、よければ参考にしてください。
生活環境に合わせた補聴器を選ぶ
仕事の会議で聞き漏らしができないと悩んでいる人と、自宅での家族との会話とたまのデイサービスで聞こえればいいという方では同じ機能が必要でしょうか?
高ければよく聞こえるという事ではなく、自分の生活環境はどうなのか?そこをしっかりと見極めた上で必要な機能が搭載されている補聴器を選ぶ必要があります。
ランクごとの選び方
補聴器のカタログを見ると、ランクによっての対応場面が載っています。
このランクだとこんな環境でも快適に聴こえますよーという感じの表などがあります。
プレミアムクラスの補聴器
あらゆる場面でオールマイティーに対応できます。
最高の音質、最高の機能、ありとあらゆる場面で補聴器が自分で快適な音量や音質を選定し、最適な音を届ける。
うるさい場所でも快適に言葉を聞くことが可能です。
もちろん、お値段も最高ランクなのでびっくりする値段の事が多いです。
各社最高ランクのものは片耳で50万前後の所が多く、両耳だと100万前後するものです。
このような機種を選ぶ方、必要な方はやはりお仕事などで聞き漏らしや聞き間違いが出来ない環境にある方でしょう。周囲がある程度うるさい、音響的に複雑な環境下で会話をしっかりと聞き取ろうとした場合にはやはりそれなりの機能と性能が備わっているものでなければ対応ができない場合が多いです。
またこのクラスになると保証が充実していて紛失保障や保証期間が通常よりも長いなど、この価格帯だからこそのサービスが付随しています。
アドバンスクラスの補聴器
最高クラスよりはお値段がお手ごろで機能面も充実しているタイプの補聴器は最高機種とそん色ない機能の物が多いです。ただ、最高クラスは何もしなくても補聴器が自動で勝手にやってくれることもこのクラスになると手動で切り替えをしないとならなかったりします。
機能面ではプレミアムクラスとほとんど変わらず、プレミアムに比べてお手ごろ価格なのでお仕事で必要な方や会合やお食事会など外出の多い方などはこの価格帯を購入されることが多いです。
この価格帯も保証が充実しています。メーカーによりですが紛失保障などが付いている場合があります。
スタンダードクラスの補聴器
お仕事や会合など聞き漏らしができないような環境で聴くことはあまりなく、どちらかというと日常生活で補聴器を使って会話を聞きたい方向けのクラスになります。
家族との会話や友人との外出など、複数人でワイワイと会話するというよりは1対1で会話をすることが中心の方にお勧めのクラスになります。
ベーシッククラスの補聴器
基本的に室内での聞き取りをメインに使用したい方向けになります。
機能はかなり絞られていて、静かな場所で使用する事を前提とした作りになっています。
基本的には家で家族との会話をメインに使用し、たまに病院などで先生の話を聞く程度の外出の方がこのクラスを選ばれます。
補聴器入門機
機能を最小に絞り、価格をかなりお手ごろに設定しているものになります。
各社価格帯はバラバラですが、両耳でベーシックの片耳代金程度の価格設定の物が多くなります。
価格帯が下がるごとに雑音制御などの機能を削るため、うるさい環境下での聞き取りはあまり良く聞こえない場合があります。
まとめ
以上の特徴をよく考えた上で、自分が使いたい場面はどんな場面なのか?
最も使用したい環境はどんな場面なのかよく考えた上で、耳にかけるタイプにするのか?それとも耳の穴に入れるタイプにするのか?価格はどれくらいまでなら大丈夫なのか?を考えて選んでください。
北村 美恵子
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