補聴器を使うタイミングはいつから?【簡易チェック表付き】

聞こえにくくなったら補聴器を使ってっていうけれど、補聴器っていつ頃からつかえばいいの?
そんな疑問を持っている人は結構多いのではないでしょうか。

実際聞こえにくくなったと思っていても、まだ頑張れば聞こえるからと思う人もいます。
病院で補聴器の相談をしても、手帳の基準に達していない場合は必要が無いと言われることも多々あります。

補聴器っていつ頃からつかうものなの?
結論から先に言うと、補聴器は軽い難聴の段階から使ってください。
何故早い段階からつかったほうが良いのか、それには二つ理由があります。

  1. 難聴が原因で起きる弊害を予防するため
  2. 言葉を忘れないようにするため

この二つの理由から、補聴器は早期装用がお勧めです。
順に説明する前に、まず自分が難聴かどうか簡易的にチェックしてみましょう。

聞こえの簡易チェック

簡易的な聴こえの状態をチェックします。
当てはまる数を数えてください。

  1. 聞き返しが増えた
  2. 耳の後ろに手を当てて聞くようになった
  3. 早口の声が聞き取りにくくなった
  4. 呼びかけられても気がつかない時がある
  5. テレビのドラマの声が聞き取りにくい
  6. 周りが騒がしいと会話が聞き取りにくい
  7. 複数人での会話が聞き取りにくい
  8. 家族で見ているテレビの音が聞き取りにくい(小さいと感じる・うるさいと言われる)
  9. 今まで聞こえていた虫や鳥の鳴き声が聞き取れない
  10. 耳鳴りがし始めた

一つでも当てはまる場合は、軽い難聴の可能性があります。
耳鼻科へ行き、聞こえの状態を診てもらいましょう。

難聴が原因で起きる弊害

難聴になると、様々な弊害が起きやすくなります。
心身に与える影響は大きく、性格が一変してしまう事も多々あります。

難聴が原因で起きる弊害は7つあります。

  1. 鬱の発症率が上昇する
  2. 認知症の発生リスクが上昇する
  3. 意欲低下
  4. 孤立感・孤独感の増加
  5. 引きこもり
  6. 転倒リスクが上昇
  7. 認知機能の低下

難聴は「コミュニケーション障害」と言われていて、人とコミュニケーションを取る事に困難さを抱える障害です。
コミュニケーションが取れない事で、人と会話することが怖くなり孤独感を深め、引きこもりがちになります。
何かをしようという意欲も低下しますし、鬱状態になりやすくなります。
さらに人と関わるという刺激が無くなる事で、認知機能にも影響が出てくるようになります。
脳は複合的に影響をしあって活動をしています。
聞こえる時に使う部分が難聴になる事で使われなくなると、その部分に悪影響が出てきます。
その悪影響は一か所にとどまらず、様々な方面に影響を与える事になります。

認知症の発症率は、健聴者と比べると最大で約5倍近くも差があります。
認知症を予防するためには、食事に気を付けたり運動をしたり、たばこやお酒を控えるなどいろいろとありますが
もっとも有効な対策は難聴に対処する事だとされています。
ボルドー大学のエレン・アミーバー教授は「聞こえの問題への取り組むタイミングについて、遅すぎるという事はありません。しかしながら、一言だけ言うならばより早期に難聴へ対処する事は、認知機能にとって、良い結果が期待できるという事です。」と言っています。

難聴を予防する対策としては、社会的な活動をするとよいとされています。
人と関わる事は、とてもたくさんの刺激を脳へ与えます。
しかし難聴でコミュニケーションを取る事ができないと、人と関わる事が出来ません。
難聴になり、それをそのままにしていくと悪い循環が始まってしまいます。

良い循環に変えるためにも、早い段階からの補聴が非常に大切です。

言葉を忘れないようにするため

人は言葉を聴くとき、耳で音を集め脳で言葉を識別しています。
難聴になると音を集めることが出来なくなるため、脳へ適切な音が届かなくなります。
日本語は基本の50音の他に、濁音などを含めると100音近い音で構成されています。
聞こえている間はその100音近くを聞き分けています。

しかし聞こえにくくなると、聞こえる音と聞こえない音が出てきます。
言葉は母音と子音の組み合わせで出来ているのですが、聞こえない音があると言葉を聴き分けられなくなっていきます。
そして聞こえない音は発音できなくなります。

難聴は30代から始まっています。
子供には聞こえて大人には聞こえない音があるのはご存知でしょうか?
テレビなどで高い音を出したとき、10代の子は聞こえるのに30代以上の人には聞こえないという場面を見たことはありませんか?
個人差はありますが、加齢による難聴は高い音から聞こえが悪くなっていきます。
そしてこの高い音が聞こえにくくなると、言葉をハッキリと聞き取る事が難しくなっていきます。

高音部分には、言葉を聞き分けるのに必要な子音が多く含まれています。
ここが聞こえないと言葉はぼやけて聞こえます。

たとえば katou さんと satou さん。
子音が聞こえずに母音だけで発音すると、どちらも aou さんになります。
このように子音が聞き取れないと、言葉をハッキリと聞き取る事が出来ないため聞き間違いが増えてしまいます。

通常会話をする時、難聴の方は話の前後から言葉を推察して「この話をしているのだろう」という予測の元に会話をしています。
予想できる範囲での会話では問題はないのですが、予測できない内容になると途端に聞き間違いや聞き返しが増えてしまいます。

一度聞き取れなくなった音を再度聞き取ろうとすると、時間と労力をかける必要が出てきます。
脳に新しい回路を作るためにはかなりの努力が必要です。

難聴の程度が軽い段階であれば、忘れている音が少ないため補聴することで音を思いだすことが出来ます。
そして補聴して聞こえる事が当たり前の状態を作っていれば、仮に聴力が落ちたとしても言葉を聴く力が残っていれば補聴することで言葉を聴くことは可能です。

これが音をかなり忘れてしまった状態で、補聴器を使って補聴をすると「音は聞こえるけれど、言葉が聞き取れない」という状態になってしまいます。

このような理由から、補聴器は早めに装用したほうが良いとされています。

まとめ

補聴器はいつごろからつけるのがよいか、その答えは早期装用がお勧めです。
理由は2つあります。

  1. 難聴が原因で起きる弊害を予防するため
  2. 言葉を忘れないようにするため

難聴は人とのコミュニケーションを阻害します。
話が聞こえない事で日常生活での意思疎通が困難になり、不便を感じるようになります。
会話に入る事が出来ない事が続くと、気持ちが沈み孤立感や孤独感を深めていきます。
人と関わる事が怖くなり、引きこもりやウツの発症、意欲低下などがみられるようになります。
また認知機能にも大きな影響を与えます。

認知症予防のためにも、社会活動への参加や人との関りを持つことが大切だと言われています。
しかし難聴になるとコミュニケーションが取れないため、社会活動への参加が難しくなります。
健康のために散歩をしている時なども、後方から来た車に気がつかずにヒヤリとする事が増え、怖い思いから外出が出来なくなってしまう事もあります。

コミュニケーションが取れない事で起きる脳への悪影響も見逃せません。
心身共に健康でいるためにも、難聴に適切な対処をすることは大切な事です。

また聞こえない事で音を忘れてしまい、言葉を聞き分けることが難しくなる事もありますので補聴器は早めに装用するようにしましょう。

目も見えず耳も聞こえなかったヘレンケラーという人は
目が見えない事は人と物とを切り離す。
耳が聞こえない事は人と人とを切り離す。
と言っています。

難聴は思っている以上に心身に大きな影響を与えます。
我慢をしないで、聞こえにくいと思ったら耳鼻科へ行き原因を診てもらい補聴器装用を考えてください。
相談は認定補聴器技能者か言語聴覚士のいる補聴器専門店へしてください。

個別に相談をしたい方は、西部補聴器まで連絡をください。

 

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北村 美恵子

認定補聴器技能者。これまで500名以上の方の聴こえに関するお悩みを解決してきました。西の風新聞にてコラムも連載中。 補聴器に関することなら何でもご相談ください。

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