補聴器の正しい効果測定方法とその見方

補聴器を使ったときにどのくらいの聴こえになっているのか確認をしたことはありますか?
補聴器を付けて「きこえますかー?」と聞かれたことしかない・・・そんな人はいるでしょうか??

補聴器を調整したら、必ず補聴効果を確認する必要があります。
今回はその補聴効果の確認の仕方についてわかりやすくご紹介します。

補聴器の効果測定とは

補聴器の調整が出来たらどの程度の聴こえになっているかを測定します。
これを「効果測定」と言います。
補聴効果を説明する前に、まず聴力を確認するオージオグラムについて確認をしましょう。

オージオグラム

オージオグラムとは聴力を確認するためのグラフになります。
縦軸と横軸があり、縦軸は音の大きさを横軸は音の高さを表しています。
下に行くほど聴力が悪くなり、右に行くほど高い音になります。
真ん中にあるバナナのような部分は、スピーチバナナと言い普通会話音での言葉の要素が含まれている部分になります。

以下の聴力図を見てみましょう

赤い丸は右耳の聞こえを表しています。
この赤丸と線を境に上の部分は聞こえていない音になります。
この人の場合は犬の鳴き声は聞こえるけれど、電話の音は聞こえない・・・という事になります。

このオージオグラムはヘッドフォンをして聞こえるか聞こえないかのギリギリのラインを測定しています。
この人の聴力はおよそ60デシベルで中度難聴といわれる難聴レベルになります。

参照:標準純音聴力検査

補聴効果のグラフの読み方

補聴効果を確認するにはこのオージオグラムを使用します。
この時縦軸はdB(デシベル)ではなくdBSPL(デシベルエスピーエス)になります。
1メートル離れたところから聞こえてくる音を測定します。
この測定は防音室やそれに準ずる環境で行います。

△は補聴器を装用しない状態での聴力です。
▲は補聴器を装用した状態での聴力です。

二つを見比べてみると、補聴器を装用しない状態だとかなり聞こえが悪い事がわかります。
それが補聴器を付けることで普通会話音のある程度聞こえる状態になっています。

このように補聴効果を測定する事で、どの程度補聴器が効果を出しているかが一目でわかるようになります。

これ以外に補聴器を付ける前と付けた後での言葉の聞き取り測定などを行うと、さらに補聴器がどの程度聴こえに役立っているかを確認する事が出来ます。

では逆に効果が無い場合はどのようになっているかを確認してみましょう。
先ほどと同じようにオージオを使って説明します。

今度のオージオは先ほどとどのように違うかわかるでしょうか?
まず補聴器を装用する前と、装用した後にほとんど変化がありません。
これは入力音が足りず、装用前とほとんど変わらない状態であるという事がわかります。

これでは補聴器を付けても聞こえないという状態になってしまいます。

補聴効果を確認するための環境

補聴効果を確認するにはどのような環境で行えばよいのか、これは基準が定められています。

1,必要な設備

補聴効果の確認を音場で行う場合、下記の設備が必要となります。
①測定室(または条件を満たした空間)
②オージオメータなどの再生機器
③スピーカ 可能ならスピーカ部が 1 つになっているもの(高音、低音用などに分かれていないタイプが望ましい)。
④騒音計 サウンドレベルメータ(JIS C1509-1 又は IEC61672-1 に準拠しているもの)

2 測定室の条件

「補聴器適合検査の指針(2010)」では、検査室の条件を下記のように定めています。
補聴効果の確認を行う測定室もこれに準じます。
補聴器適合測定を音場で行う場合、騒音や測定音の反響の少ない準無響室であることが望ましいが、実際の測定室の条件としては以下の事項を満たすものであることを考慮する必要がある。
①騒音が測定結果に影響しない程度であること
②測定音の反響が測定に影響しない程度であること
③お客様の判断に影響するような心理的圧迫感がないこと
具体的には、騒音レベルは 50dB(A)以下であること、測定音が室内で反響しにくくなるような措置(窓や壁面に厚地のカーテンを取り付ける、天井や壁面を吸音材にする、床面はカーペットにするなど)を講じることや、2m×3m 程度の広さを確保する等が望ましい。

図 1 音場での測定模式図
音源スピーカはお客様の頭部中心と同じ高さとし、両者の間隔は 0.5m から 1m とする。
両者と壁面までの距離は反響を考慮して、1m 程度離れていることが望ましい。

販売店協会より引用

効果測定を行う事で、目で見える形で効果を確認する事が出来ます。
感覚的な物だけではなく、きちんとデータとして表すことでユーザーは安心感を得ることが出来ます。
効果測定は基本的には病院で行いますが、店舗でも行っています。
しっかりと効果測定を行ってくれる店舗で補聴器を購入しましょう。

まとめ

補聴器を装用した後は必ず補聴効果を確認します。
どの程度音が聞こえているか、言葉の聞き取りはどの程度改善しているかを測定します。
補聴器の効果がどの程度あるか、可視化するこの測定は補聴器を使用するモチベーション維持のためにも必要です。

補聴効果は通常は病院で行い、店舗での補聴効果測定は簡易的なものになります。

補聴器を使用している方は定期的に聴力測定と補聴効果測定を受けることをお勧めします。
どの程度補聴効果があるのか、試してみたい方は西部補聴器までお問い合わせください。

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北村 美恵子

認定補聴器技能者。これまで500名以上の方の聴こえに関するお悩みを解決してきました。西の風新聞にてコラムも連載中。 補聴器に関することなら何でもご相談ください。

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