補聴器の効果とその測定方法

補聴器を使うとよく聞こえるようになると言う声を聴いたことがあると思います。
でもどんなふうに効果があるのか?よくわからない方も多いのではないでしょうか。
今回は補聴器を使う事で得られる効果をデータを基にわかりやすくご紹介します。

補聴効果の確認

補聴効果は補聴器を使用してどの程度聞こえが改善したか、数値で確認する事ができます。
補聴効果の確認には「音場測定」と「音場による語音明瞭度測定」を行います。

音場測定

この測定は防音室かそれに準ずる環境で行います。
補聴器を付けていない裸耳の状態で、スピーカーから聞こえてくる音を聞き測定を行います。
その後補聴器を付けて再度同じ測定を行い、どの程度音が聞こえるようになったかを目に見える形にします。

 

これが効果測定の図になります。
▲が補聴器を付けた状態、△が裸耳の状態での聴こえになります。
この図は下に行くほど聞こえにくいという読み方をします。

この人の裸耳での聴こえは平均で63db、中度難聴の聴こえになります。
この場合の聞こえ方としては会話をする時は、大きな声で話しかけないと会話が出来ない状態です。
それが補聴器をすることで平均聴力が38dbまで改善しています。
38db程度になると、大声で話をしなくても静かな環境であれば普通の会話音で会話をすることが出来るようになります。

このように補聴器を付けることでどの程度の音が聞き取れるようになるかを確認します。

語音明瞭度測定

語音明瞭度測定とは、言葉をどの程度聞き分ける力があるかを見える化する測定になります。
音は聞こえていてもこの明瞭度が悪いと「音は聞こえるけれど言葉が聞き取れない」という事になります。
こちらの測定も効果測定と同じように、防音室かそれに準ずる環境で測定を行います。

こちらの図は語音明瞭度を見えるようにしたものです。
▲は補聴器装用、△は裸耳の数値になります。

この場合裸耳のときは70dbの音で聞いたとき、正解率は55%でした。
これが補聴器をつけたら60dbでも60%、80db(少し大きめの音)で聞くと75%の正解率になります。

裸耳の時は普通の声で話をすると半分程度しか聞き取れない、大きめの声で話をしてもやはり半分程度しか会話を聞き取れない状態だという事がわかります。
対して補聴器をつけると普通の話声でも6割聞き取れ、少し大きめの声で話をすれば話の7割は聞き取る事が出来るようになります。

会話の7割を聞き取る事が出来れば、通常の会話をする上ではほぼ困らずにコミュニケーションを取る事が出来ます。

補聴器の効果

補聴器を付けることで得られる効果としてはいくつかありますが2つほどご紹介します。

コミュニケーションが捗る

大声で話しかけないと聞き取れない状態での会話は、話し手は大声を出し続けるという負担がありますし聞き手は怒鳴られている(怒られている)感覚になりやすくなります。
互いに負担が大きくなるため、会話すること自体を避けるようになってしまいます。

補聴器を付けることで普通の会話音で会話をすることが出来るようになり、話しても聞き手も互いに負担が大きく減る事になります。
コミュニケーションが円滑に取れることで、家族や友人との関係も円滑になり外出が増える方も出てきます。

また音がしっかりと聞こえるようになると、自分の声も聞こえるようになります。
難聴になると自分の声も聞こえなくなるため、大きな声で話をするようになることが多々あります。
これが適度なボリュームになることで、相手も怒鳴られているという威圧感を感じないで話ができるようになります。

生活音が聞こえるようになる

生活環境音が聞こえるようになるので、例えば道路を歩いている時に車が後ろからくることに気がつくことができたりします。
聴覚は全方向に張り巡らされたレーダーのようなものです。
救急車の音などのサイレン音や防災のお知らせ音なども聞き取れなくても気が付けるようになります。

これ以外にもテレビの音が小さくなるので家族と一緒にテレビを楽しむことが出来るようになります。
日常で当たり前に音が聞こえるようになると、脳へも良い刺激となります。

また映画や音楽なども楽しむことが出来るようになります。

まとめ

補聴器を付けることでどのように聴こえに変化があるのか、これを可視化する測定を行う事で効果を実感することが出来るようになります。

補聴器を付けると家族や友人など対人関係でのコミュニケーションが捗り、気持ちが明るく前向きになっていきます。
引きこもりがちだった人が聞こえるようになったことで、外出が増えるという事もよくある事です

そして日常生活で音が当たり前に聞こえるようになると、脳へも良い刺激を与える事になります。
危険を回避する事も可能になりますし、音楽や映画などの娯楽を楽しめるようにもなります。
人間関係が円滑になり、様々な事にチャレンジしようという意欲がわいてくるようになります。

補聴器を付けることで、精神的にも肉体的にも非常に良い効果が期待できます。

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