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シニアの方が正しく補聴器を使用した場合の効果事例

 

実際にシニアの方に調整を行い、どの程度聴こえに変化が出てきているのかを分かりやすくご紹介します。

80代シニアの調整事例

ご家族から相談を受けて、ご自宅へ伺い試聴・貸出を経ての購入をしていただいた方です。

80代 男性  右耳のみ補聴器使用。
ご家族の依頼で相談を受ける
希望としては家族との会話がきちんと聴こえる状態になりたい。
使っている補聴器がハウリングが酷くてうるさくて使えないという事で、見て欲しいと依頼をされてご自宅まで行きました。

この方は生協から補聴器を購入したそうで、その時調整してからほとんど調整をしていない状態だったそうです。

当店で取り扱っているメーカーではなかったのですが、国内では有名なメーカーさんです。
パワータイプの補聴器なのに、イヤモールドではなく簡易タイプの耳栓でした。

同じ系列の店舗へ調整をお願いに行ったけれど、他店購入の補聴器は調整できないと断られたそうです。
同じメーカーなんだから調整してあげればいいのに・・・・

試聴用の補聴器はフォナックのナイーダを使用してもらいました。パワーの必要な聴力の方にはフォナックの補聴器はお勧めです。

聴力に合わせ調整し、片耳ではなく両耳で聞いてもらいました。
両耳装用状態でご家族とも話をしてもらったのですが、本人よりもご家族の方が話が通じると喜んでいました。

そのまま貸し出しを1週間ほどして、やはり補聴器は必要だという事で購入を決断。
イヤモールドもオーダーしてもらいました。

補聴器を使ってどの程度改善したかを確認してきました。

装用前の状態は△、装用後の状態は▲で表しています。
装用前はかなり聴こえていない状態ですが、補聴器を装用することで会話は聞き取れるレベルまで持っていく事が出来ました。自分の声のうるささがどうしても我慢が出来ないという事で低音はあまり入れることが出来なかったのですが、この程度聴こえていればまぁ不自由はしないかな?

音は聞こえる状態になっても、早口は聞き取れないのでご家族には改めて「ハッキリ・ゆっくり・正面から」話をするようにお願いをしてきました。

ご家族とお話楽しんでくださいね、と声を掛けたらニヤリと笑ってヒソヒソと「うるさいからあんまりはなさなくていいんだよ」と言ってから、いつものてへぺろをしてくれました。

102歳シニアの調整事例

102歳の年齢で補聴器を初めて使う方の装用レポートです。

耳かけ補聴器、イヤモールド使用で装用してもらいました。この方は施設に入居されている方なので、施設の方にもご協力を頂きました。

102歳 最高語音明瞭度 右90dB 55% 左90dB 45%
認知機能に問題なし
機種 oticon open1 両耳装用

主観的評価(本人)

状況 装用前 装用後
静かな場所で1対1の会話が聞き取れる 聞き取れない事が多い いつも聞き取れる
外のあまりうるさくない場所での会話が聞き取れる 聞き取れない事が多い いつも聞き取れる
外出先での会話が聞き取れる 聞き取れない事が多い いつも聞き取れる
小さな音が聞き取れる 聞き取れたり聞き取れなかったり 聞き取れたり聞き取れなかったり
後ろから話しかけられた時聞き取れる 聞き取れたり聞き取れなかったり 聞き取れたり聞き取れなかったり
人ごみの中で話が聞き取れる ほとんど聞き取れない 聞き取れたり聞き取れなかったり
4~5人の中で話が聞き取れる ほとんど聞き取れない いつも聞き取れる
小声で話されたとき聞き取れる ほとんど聞き取れない 聞き取れたり聞き取れなかったり
TVを周りと同じ音量で聞いて聞き取れる ほとんど聞き取れない 聞き取れたり聞き取れなかったり

補聴器を装用する前はやはり聴こえない事が多く、不自由を感じているようでした。
あまりおしゃべりな方では無く、寡黙でいつも一人でいるタイプの方と伺っていましたが
しゃべらないから聴こえなくても不自由していないというわけではなく、やはり本人としてはボケてしまうのではないかと不安でもあったそうです。

補聴器を装用してからは会話を聞き取ることが楽になり、毎日の生活が楽になったと話していました。生活の質は格段に上がったと話してくださいました。
またカラオケを楽しまれるようにもなったそうです。

最初にお会いした時は聴こえていない事も有り、こちらも大きな声で話をしないとならないので
どうしても必要最低限の事しか伝え合えずにいました。
しかし補聴器を付けて、しっかりと聴こえる状態になってからは色々とお話をしてくれるようになりました。

主観的評価(職員)

状況 装用前 装用後
TVのボリュームが大きい 当てはまらない 当てはまらない
聞き返しが多い 大体当てはまる あまり当てはまらない
生返事をすることがある 時々当てはまる 時々当てはまる
話声が大きい 時々当てはまる 当てはまらない
TVが付いていると会話できない事がある 時々当てはまる 当てはまらない
小さな音に気が付かない事がある いつも当てはまる あまり当てはまらない
大声で話をしないと会話ができない いつも当てはまる 当てはまらない
意思の疎通が出来ない 当てはまらない 当てはまらない

装用前は聴こえていないからなのか、認知機能に問題があるからなのかがわからなくて困ることがあったそうです。
補聴器装用後は電話で会話をすることが出来たと驚いていました。短い会話でしたが以前では考えられなかったそうです。
寡黙な方であまり部屋から出てこない人ではあっても、接する機会の多い職員からすると補聴器の装用効果は十分に感じることが出来たそうです。

季節のお出かけなどでは周囲の人と会話を楽しんでいる場面も見られたという事です。
補聴器を装用することでコミュニケーションがスムーズにできるようになったからこその
お出かけでの会話かもしれません。

装用効果

装用前の平均聴力は70dB 装用後の平均聴力は36.25dB
全体的にしっかりと音が入っていて、普通会話音での会話が出来るレベルにまで入力はできている状態。

語音測定は今回は行わなかったのですが、最高語音明瞭度が良くて55%という数値であるという事と、年齢的な事から会話速度が速いと聞き取れないという部分を考慮した上での会話が必要であるとは思います。

本人と話をしていても、ゆっくりはっきり話をすると普通会話音で問題なく会話をすることが可能でした。
ご家族はあまり効果を感じていないという事でしたが、電池が切れたままで自宅へ帰られていた可能性が否定できない事と、会話速度がかなり速いそうなのでそれもあって会話理解がちょっと追いつかなかったのかなと思いました。

補聴器つけても会話速度が遅くなるわけではないので、そこは話者の配慮が必要です。

施設での補聴器装用の効果はどの程度出るのかわからないまま協力をしてもらったのですが
職員の協力と、本人の試してみたいという意欲に助けられて効果を確認することが出来ました。
音に慣れる必要があるため3か月間のモニター協力をしてもらいました。

今回の結果に関してはご家族様にもレポートという形で渡してあります。
補聴器の機種が良いものだったからいい結果が出たというわけでもなく、やはり適切に調整を行えばきちんと効果を実感できる状態に持って行けるという事だと思います。

外で購入して、購入後一度も調整をしていないまま「補聴器つけているけれど聴こえない」という人が施設にはたくさんいます。
売りっぱなしの店が多すぎて、頭抱えてしまいますがその辺もフォローできる範囲でやっていきたいなと考えています。

102歳のこの方は、とっても前向きで120歳まで生きる!人生これから!と瞳をキラキラとさせながら話してくれたことが印象に残っています。
年齢であきらめずに、前を向いて生きている高齢者を見るたびに勇気をもらう日々です。

まとめ

シニアの方が補聴器を使用するときには、耳かけ(BTE)補聴器でオーダーメイド耳栓のイヤモールドを使用する事がポイントです。

耳穴補聴器をずっと使っている場合でも、一定の年齢を超えてくると手先の自由が利かなくなってきます。
そうなったときにはBTEタイプの耳かけ補聴器を使うようにしてください。
RIC補聴器は目立たない反面、扱いが難しいのでシニア(80歳を超えている方は特に)お勧めいたしません。

耳かけ補聴器を使用するときには必ずイヤモールドを作成しましょう。

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