補聴器ブログ

難聴・補聴器に関するお役立ち情報を配信しています。

  1. HOME
  2. ブログ
  3. おすすめメーカーと選び方
  4. 補聴器とは?その仕組みをわかりやすく解説

補聴器とは?その仕組みをわかりやすく解説

補聴器を購入する前に、補聴器について正しい知識を持つことは失敗しない補聴器選びのためには必要な事です。
補聴器についてわかりやすくまとめました

補聴器とは

補聴器と何ぞや??と聞かれれば皆さん「音を大きくするんでしょ?」と答えるかと思います。
その通りなんですが、ちょっと違います。
音をただ大きくするだけではないのです。

ピアノの鍵盤を思い浮かべてください。
ドレミファソラシド~と8つの音階がありますが、難聴はこの中のレはちゃんと聞こえるけれどミやラが聴こえにくいという状態になっています。

ファ

こんな感じで音のきこえ方がぐちゃぐちゃになっている状態なんです。
この状態で音をただ大きくしたとしても、ミが聞きたくてボリューム上げても他の音ばかりうるさくて肝心の聞きたい音が聞こえない…となってしまいます。
集音器などはこの原理なので、買ったけれど使えないと言われることが多いです。

ところが、補聴器はこのアンバランスな音を同じレベルになるように一つ一つの音を調整できるのです。小さい音は大きく、大きな音は大きすぎないようにその人のきこえ方に合わせて個別に音を調整します。すると

ドレミファソラシド

とちゃんと聞こえるようになります。これはデジタル補聴器と言われる補聴器なら出来る機能です。アナログ補聴器と言われるものは細かな調整が出来ない事と、大きな音も小さな音も同じだけ音が入ってしまうため聴力によっては聞き取りが難しいという事になってしまいます。

どのような仕組みでそんなことが出来るのか??は次をご覧ください。

デジタル補聴器の仕組み

今の補聴器はデジタル処理をされているものが主流で、言葉をハッキリと聞き取るための技術が小さな機種の中にギュッと詰まっています。

原理としては音を大きくするものなのですが、そこにたくさんの技術が詰まっています。

補聴器の基本構造

基本は音を捉えて電気信号へ変換するマイクロホン、その電気信号を増幅する増幅器、増幅器へ電力を供給する電池、増幅された電気信号を音へ変換するイヤホンの4つで構成されています。

集音器などはこの構造で販売されています。

現在のデジタル補聴器はこの基本構造に様々な音処理やボリューム調整、出力制限装置などが付加されいろいろな難聴に対応できるようになっています。

各種機能が加わった図

 

補聴器の種類

補聴器にはいくつかの形があります。耳の穴に入れるもの、耳にかけるもの、箱形のもの、メガネタイプの物・・・
各タイプの特徴をまとめました

  ポケット型 耳かけ型 耳穴型 小型耳かけ型 メガネ型
適応難聴度 軽度~重度 軽度~重度 軽度~重度 軽度~重度 軽度
集音性能
操作性
調整機能
目立ちにくさ ×
電池寿命

ポケット型は大きく目立ちますが手先の自由が利かない人や頻繁に紛失する人にはお勧めです。

耳かけ型はイヤモールドを使用していただくと、より使いやすくなります。

小型耳かけ型は小さく目立たず人気があります。しかし扱いが難しい部分があり手先に自由が利かない人には少し扱いが難しい場合があります。

耳穴型は耳の機能を最も活用することができますが、小さく扱いにくいため手先が不自由な方にはお勧めしません。

また小さくなるほど様々な機能をそぎ落とすため、便利な機能がついていない場合もあります。

メガネ型は伝音難聴向けの補聴器で、あまり普及していません。メガネのデザインも選べないため個人的にはあまりお勧めはしていません。

デジタル補聴器の機能

デジタル補聴器には様々な機能が搭載されています。
最近は無線通信が出来るようになり、テレビや電話の音を耳元の補聴器から音を出すことが出来るようになりました。

補聴器は音が入力し、機械的な処理をして音を出すまでに様々な処理をしています。
いくつか紹介をしたいと思います。

マルチチャンネル信号処理

補聴器に入力された音を周波数ごとに複数のチャンネルに分割した上で、各種の信号処理とその増幅をチャンネルごとに行う処理で、デジタル補聴器の基本的な機能になります。

分割されたチャンネルごとに独立して作用することで、他の周波数帯域の影響を受けることなく、その周波数帯域事にふさわしい処理を行います。

 

ノンリニア増幅処理

感音難聴の聴こえに対応するために補聴器は小さな音は大きく、大きな音は大きすぎないように音を増幅します。

リニア増幅とノンリニア増幅という2つの処理があり、昔のアナログ補聴器や集音器などはリニア増幅と言われる処理をしています。
リニア増幅は入力された音の大きさとは無関係に一定の大きさで増幅を行うので小さな音を大きくしたときに大きな音も同じように大きくなってしまいます。

ノンリニア増幅は入力された音の大きさに対して、出力する音の大きさを変化させる処理を行います。
これにより、小さな音は大きめに、大きな音は小さめにと音の増幅を調整することが出来るようになります。

雑音抑制処理

難聴者の聞き取りを阻害する環境騒音を低減する雑音抑制処理はデジタル補聴器の代表的な処理といえます。
現在の補聴器の雑音抑制処理には以下の4つの機能があります。

a)定常雑音を低減する処理

細かく分割した周波数チャンネルごとに、音の大きさが変動しているか監視し、変動していない場合は音声が含まれていないと判断してそのチャンネルの増幅を低減する
このしくみでエアコンやファンの音、乗り物内の走行音、雑路騒音などを低減します

b)変動している雑音を低減する機能

a)と同様に、周波数チャンネルごとに音の大きさが変動しているかどうかを監視し変動している場合に、その変動が音声によるものかどうかを分析する。
音声による変動の特徴に一致しない場合、そのチャンネルには音声が含まれていないと阪大して増幅を低減する

c)指向性機能

特定の方向からの音を優先して聴取する仕組み。
補聴器を用いてコミュニケーションを取るときは基本は顔の正面方向から音声や音を聞き取ることを第一優先として勝目に外の方向からの音声や音に対する感度を低減する。
これにより周囲に雑音があっても正面の人との音声を優先的に聞き取りやすくする。

d)内部雑音を低減する機能

静かな環境で会話もないような場面では、補聴器自体の内部雑音や周囲の静かな雑音だけが聞こえる。
特にノンリニア増幅処理の場合、入力音が小さいほど音を大きくするので周囲が静かだと補聴器内部の音や周囲の雑音が耳障りになる場合がある。

これを防ぐために、一定レベル以上の音の入力が無い時には補聴器の増幅度を下げる処理を行う。
これを伸張増幅(ノイズリダクション)という。

雑音制御のついている補聴器は以上4つの機能のほかに、風雑音を低減する機能、衝撃音を低減する機能などを持つものがある。

ハウリング抑制処理

出力された音の一部がマイクロホンに入り、安定な増幅動作が阻害される不快な現象で聞き取りに必要な音量の確保や安定聴取を制限してしまう

a)ハウリングマネージャー

音響利得を制御することでハウリングが起きないようにする処理の事

個々人の聴力に合わせた音響特性や、耳の形状に合わせたイヤモールドやオーダーメイド補聴器のシェルの出来具合などにハウリングの限界は依存する。

そこで、フィッティングが終了する段階に装用状態でハウリングを起こす限界の音響利得を検知し、増幅度を常にその限界の音響利得以下にするようにする事でハウリングの発生を防止することが出来る。

b)ハウリングキャンセラー

ハウリングが生じないよう、キャンセル信号を適用して発生を抑制する処理の事

常に増幅器の入力信号と出力信号を比較監視して音の戻り分を除去することで安定した増幅を維持する
ハウリングキャンセラーはハウリングの発生を防ぐと同時に、ハウリングが生じない限界の音響利得をより高いところに改善することが出来る

デジタル補聴器はこのように様々な処理を瞬時に行い、より快適に言葉を聞きとることが出来るようにされている。
ただ音を大きくしているわけではないのです。

まとめ

補聴器とは簡潔に言えば音を増幅する器械です。
小さな音は大きく、大きな音は大きすぎないようデジタル制御されています
音を聞くために作られたのではなく、言葉を聞くために作られている精密機器になります。

関連記事

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。